*** ランチタイム ***

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*** ランチタイム ***

アートとテディがサプライズ登校した翌日。 2人ともチカ会長と同じクラスなので、俺は朝一でチカ会長にアートとテディの連絡先を聞きたいから昼休みにそちらへ行く、と連絡をしたんだけど、チカ会長から『折角だから一緒にお昼ご飯を食べましょう』と誘われた。 本来、今生徒会はクリスマスパーティーに関して少し問題を抱えていて、のんびりお昼ご飯を食べるのは難しい状況。 だけど、チカ会長が他の生徒会のメンバーに話しをつけてくれたらしく俺とチカ会長、そしてアートとテディの4人でランチをすることに。 千尋と想と葉は生徒会室へ。 お昼ご飯は生徒会室へ運んで貰うように手配してある。 俺は釉と湊斗と一緒に食堂へ向かっているところ。 「アーサー先輩とセオドア先輩、近くで見るとマジイケメンだったよな♪昨日ビックリした♪」 「湊斗も? 俺も『ぅわ! この顔面はヤバい! 』って思った! 亜朗は……告白されてぐらっときたりしちゃったりした……? 」 はしゃいだ表情から一変、釉が拗ねた顔で俺を見詰めてくる。はい可愛い。とーーーーっても可愛い。 「ぅ……、釉、その可愛い顔やめて……その顔にぐらっときた……」 「え〜♪マジで〜♪嬉し〜い♪大好きだよ亜朗♪」 釉に抱き着かれたのは一瞬で、すぐに湊斗が「はーい♪さっさと行くよー♪」と、俺から釉を引き剥がす。 助かった。確かに釉に抱き着かれると、体格差と体重差のせいで俺は支えるので精一杯になってしまう。 つまり足を踏み出すのがとてもとても大変になるわけだ。 食堂につくとチカ会長達は既にテーブルに着いていて、俺に気付くと手を振ってくれた。 俺も手を振り返したその時、「ぁ! 釉ちゃん! ちょ、手伝って! 」という声が聞こえた。 何事かと俺も声のした方を見ようとした瞬間、釉がその声の主に返事をする。 「はー? ぅわ、バケツプリンじゃん! 何で食べ切れないの分かってて注文すんの〜? 」 「俺じゃない俺じゃない! 頼んだのはコイツ! 」 「釉ちゃんお願〜い……手伝って〜……」 「もー仕方ないなぁ。湊斗も手伝う! 」 「ぇ、俺も? 」 「道連れ〜♪お願い湊斗♪」 「しゃーないなぁ♪」 湊斗の了承を得た釉が、「じゃあね亜朗♪俺と湊斗行くね♪」と言うと、あっという間に声をかけてきた人物──────────翔季先輩と俺の知らない先輩のところへ行ってしまった。 …………多分だけど……紗斗くんの誕生日に紗斗の部屋で言ってた、釉に『ほぼ告白』をしてきた人って……翔季先輩、だと思う……。 今だって、俺と湊斗もいたのに釉の名前しか呼ばなかった。多分釉しか見えてなかったんじゃないかな……。 生徒会が忙しいのもあって、あまり釉と湊斗と過ごす時間がないんだけど、湊斗から話しを聞く限り釉は最近よく翔季先輩と一緒にいるそう。 2人きりではなく、悟先輩や渉先輩、禄丞先輩がいたり、浩輝先輩や涼太先輩がいたりするらしいけど、それでも翔季先輩は必ずいるし、翔季先輩から声をかけられているらしい。 そして湊斗はそれに着いて行ったり行かなかったり。 着いて行かない時は小林や佐々木、岡本と一緒にバスケ、サッカー、バレーをして遊んでるんだって。 翔季先輩達はゲームで遊ぶ派らしく、体を動かすことの方が好きな湊斗は気分が乗らない時は「俺今日は体動かしたい日だから♪」と、さっさと小林達と体育館で遊んでいる。 放課後は小林達は部活があるから、湊斗は前に景ちゃんから教わった関係の勉強を、同じくそれ関係の勉強にハマったらしいマル先輩と一緒にしている、と。
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