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俺らの会話が聞こえていた笑顔のチカ会長へお礼を伝える。
「チカ会長お待たせしてすみません。それとセッティングありがとうございました♪」
「いいえ♪どういたしまして♪さ、ご飯はアーサーくんとセオドアくんがセッティングのお礼に奢ってくれるというので、お言葉に甘えましょう♪」
その言葉通り、テーブルの上には既に沢山の料理が乗っていた。
まだ湯気が立ってるってことはそんなに待たせずに済んだってことだよね。良かったー!
…………でも……、
「……ね、この量……多くない……? ですか……? 」
見たところ、テーブルの上には6〜7人前くらいの量がある。
俺らは4人だよね? と思って言った言葉に、チカ会長とアートとテディは「そう(ですか)? 」って返してきた。
あー……そうだった。
チカ会長、美しい見た目にそぐわず結構な量食べるんだった……。
「俺とアート、2人前と少しくらい食べられるからむしろ少ないかもって思ってたんだけど……アロはどのくらい食べられる? 」
「俺は普通に1人前で充分足りるよ♪」
「そうか♪じゃあアロはこの中から好きな物を自分に丁度良い量を取ってくれ♪」
「そうですね♪亜朗くんが取ったあと、僕達で分けましょうか♪」
「それが良さそうだ♪」
お言葉に甘えて、俺は少しずつ色んなモノを取り皿に乗せる。
「アートとテディは唐揚げ食べたことある? 」
「「ある♪東京で食べた♪」」
「北海道ではザンギって呼ぶんだよ♪」
「『ザンギ』? 」
「それは唐揚げとは違うのか? 」
まず1つ食べてみて欲しくて、それぞれの取り皿にザンギを乗せると2人はマジマジとザンギを見詰める。
「一般的には、ザンギの方が下味をしっかりつけてるから味が濃いって定義♪」
「「へー♪」」
「亜朗くん、僕もソレ初めて知りました♪さすが料理好きですね♪」
「「ぇ!? アロは料理が得意なのか!? 」」
チカ会長に褒められて『へへっ♪』て笑いが出た瞬間、アートとテディが俺をキラキラした瞳で見詰めてきた。
「『得意』ってほどじゃないけど、料理するのは大好きだよ♪趣味かな♪」
これはきっと、『食べてみたい』とか言われるだろうなー。
「そうか♪とても素敵な趣味だと思う♪」
あれ?
「そうだな♪野菜なんかは特に世界中には色んな種類があるし、それを考えると一生ものの趣味と言えるな♪」
あれれ?
……食べてみたいって言われない……?
「我が国は料理がマズいと世界中から言われているからね、趣味が料理だなんてとても高尚なモノに聞こえるよ♪」
「ふふ♪確かにイギリスはそう言われてますよね♪」
「笑うな親臣♪事実だからこそ否定できなくて悲しくなるじゃないか♪」
「顔は笑ってますよ? でもスイーツは本当に美味しいですよね♪僕、スコーン好きなんですよ♪」
「お♪スコーンが好きとは、親臣はイギリス人の素質があるのでは? 」
「あはは♪『イギリス人の素質』ってなんですか♪」
わー……♪わぁぁぁぁ♪
美形が談笑してる〜♪目の保養〜♪
「アロは? どんなスイーツが好きだ? 」
おっと。
目の保養って喜んでる場合じゃない。観客になってる場合じゃない。
俺は観客じゃなく参加者だからね。
「ぁ、ジョシュアがアロは柑橘系のフレーバーが好きって言ってけど、本当? 」
「この前ジョシュア先輩とお茶した時に言った♪ホントだよ♪」
「「覚えておこう♪」」
「覚えてどうするの♪」
「プレゼントする♪」
「ぇ、いいよそんな───────」
「アロの機嫌を損ねることがあればお菓子で許して貰おうと思って♪」
「ぇ……あははは♪それはスゴく効果的なプレゼントになるよ♪」
効果抜群だね♪
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