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〜待ち人〜
「ふぁ〜、、良く寝た」
大きく伸びをすると、部屋のカーテンを開けた
空はよく晴れて、まるで僕を歓迎しているみたいに雲ひとつない青空だった
「凄い!!綺麗な青空✨」
島の空気はいつも澄んでて潮の匂いがしたけど、此処は島とは違う太陽?みたいな乾いた匂いなだな、、
軽く食事を済ませ、散策しようと身支度を整え表に出た。
寮の門を潜ると長い桜並木があって、それを抜けるとこれから通う高校がある。
わぁ、、、素敵!!
なんて絵になるんだろぅ、、
最近じゃ、桜の開花が早くて入学前なのにもう、散り始めてる。
この桜降る幻想的な世界を、これでもかというくらいスマホのカメラに収める
あとでオンマに送ってあげよっと。
それにしても、、
「ほんと、綺麗、、」
まるで、桜の妖精にでもなった気分。
桜のシャワーを浴びながら、街中へと続く道へと向かった
少しずつ増える人波に圧倒されながらも、市場街に出た。
ここは以前、姉達と来たことのある市場だ。島では買えない物品を両親に頼まれて何度か此処に買いに来たっけ。いずれはこっちの高校に進学するからと、道案内も込めて島に残った姉達が僕を連れて何度か来ていた
そうそう、帰りに此処でトッコチ買ってもらったっけな(笑)島のとはちょっと味付けが違って美味しかったなぁ、、
小腹が減った僕は、そんな思いを馳せて思い出の味を頬張った。
そうそう、これ!この味。今度、家で再現してみようかな、、??
小腹が満たされると、市場を覗き日持ちするものを買い込んだ。
さ、今日の所はこんなもんかな??
市場以外をあまり知らないから、市街地へ向かうのは今日の所はやめておこう。
明日は何処に行こうかな、、?
高校生だし、バイトもしてみたいなぁ、、
寮に戻ると、真新しいPCで明日行く所をピックアップしてみた。
明日にはカンイン来るかな??来たら一緒に行ってくれるかな??
島での卒業生は僕とカンインの2人だけ。明日にはカンインが来る予定になっていたから、一緒に行けそうな所をピックアップして、今日の所は就寝する事にした。
朝になり、カンインが島を出たという連絡が入った。
寮は個室タイプになってるから、何処に誰が入ってるかとかは分からないけど、カンインの入る部屋は事前に聞いていたから、寮母さんに鍵を借りて部屋を掃除しておいた。
夕飯用にとカンインの好きな物を作り、近くのバス停へと向かった
そろそろだと思うけど、、
バスの時間聞いておけば良かったな、、なんて思いながらベンチに腰掛け、人々の往来を眺める。
ほんと、島と違って人が多いよな、、
それにしてもカンイン遅いな、、そろそろ着いてもいい頃なんだけどな、、
ーLINEのメッセージを送るけど、返事はまだない。
天気が良いせいか、流石に少し喉が渇いたな、、そう思って辺りを見渡す
「あ、、」
お洒落なカフェを見つけたけど、、1人じゃ何だか入りにくいな、、
何度となく店の前を彷徨く
どうしよう、、?喉渇いたよぅ、、でもなんか敷居たかそう///でも、この場所から離れるのはちょっと。
此処のテラスなら、バス停を見渡せるし、、待つにはピッタリなんだけどな、、
ドン!!!
「じゃま!!」
「あ、すみませ、、ん//」
知らない人に思い切りぶつかって、思わずよろけ、店内に入ってしまった
「いらっしゃいませ!ご注文は?」
「あ、はい。えーと、、喉が乾いちゃって//」
「何飲みますか??」
「えーっと、オススメのコーヒーを、、」
「アメリカーノでよろしいですか??」
「え?あ、はい///」
「サイズは?」
「へ?あ、えーと、Mサイズで//」
「かしこまりました」
「、、、」
た、頼めたのかな??
「お待たせしました」
目の前に差し出されたのはホットコーヒー。
しまった💦アイスコーヒーにしておけば良かった//
「あ、ありがとうございます///」
まぁ、いっか、、
テラスの席に座り、ぼんやりと行き交う人を眺める。
熱々のコーヒーを飲みながら、何だか笑いが込み上げてくる
なんか大人になったみたい(笑)脚を組みカッコつけたようにコーヒーを飲んでみる
このコーヒー美味しいなぁ、、
アボジがコーヒー好きで良く一緒に飲んでたから、僕もこのくらいの苦味なら全然ヘーキ
「はぁ、、」
それにしてもカンイン遅いな、、道に迷ったかな??
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