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しつこい女だな、、もう会わないって言ったのに
カフェに呼び出され、仕方なく向かった。
「、、で、話はなんだ?」
「単刀直入に言うね。私ね、妊娠したの、、」
「はぁ?それで?」
「私、、産みたいの」
「、、で?」
「ぇ、、??」
「話はそれだけか??」
「へ、、?あ、うん。そうだけど、、」
「産みたきゃ産めば良い。俺は一切責任取るつもりはないから。夫としても父親としても責任取るつもりはない。お前がそれで良いなら好きにしろ。」
「そんな、、!!」
「初めに言っただろ?お前なんか愛してもないし、体だけの関係だと。後で騒がれても迷惑だから、一筆書いて置いていけよ」
「妊娠したって言ったら振り向いてくれると思ったのに、、ほんと、サイテー!!」
女は俺にパシャリと盛大に水をぶっかけ”クズ!!”と捨て台詞を残し店から出て行った
うん、、我ながらサイテーだな俺、、
遊ぶだけ遊んでポイ捨てなんて。
多少心は痛んだが、でも俺はこういう人間なんだ、、。どんなに恨まれても人を愛するなんて馬鹿なまね死んだってごめんだ。
俺は、人を愛する事を諦めた。父のように傷つけられ、壊れていくのが怖かったから、自分の中で精一杯壁を作っていたんだ。誰も俺の心の中に入れないように、、
こういう別れは何度目だろう、、?何度経験しても慣れないし、慣れたくもないけど。きっと罰が当たるかもしれないけど、これでいいんだ、、、
これは俺の生き方なんだから。
自分を自嘲しフッと笑いシャツの袖で滴る水を拭うと、すっかり冷めてしまったコーヒーを啜り店を後にした
さ、これからどうすっかな、、
遊びの女が一人減っただけ。頭では、そう思ってるのに何度別れを経験しても、心は晴れずモヤモヤが心を燻る
まだ早いし、新しい女でも探すか、、
街をわけもなく彷徨う
こんなムシャクシャした気持ちは次の女でごまかすか、、
行き交う人の群れをかき分けると、目に入ってきたのは、、
「ジェジュン・・?」
キョロキョロしながら歩く姿は、まるで迷子の子供みたいだった
でも、不思議とその周りはキラキラと眩しく光って見えた俺は、咄嗟に建物の影に隠れ、その姿を追っていた
何でだろ?その姿は何故かずっと飽きずに見ていられた。そしていつの間にか俺の頬は緩んでいた
あ、、そっちは、、!!
ジェジュンの足は俺の行きつけでもあるホテル街の方へ向かっていた。
、、彼奴、まさかホテルに??それとも誰かと待ち合わせか?
ホテルから出てきた男女を目の当たりにしたジェジュンはくるりと踵を反した
様子が変だし、やっぱ迷子かな??
でも放っておけなくて、いつの間にかその肩を掴んでいた
「ゆ、、ユノ、、さん??!」
今にも泣き出しそうなほど、大きな瞳は涙を湛えていて、俺はその瞳から目が離せなかった
「ど、どうした?」
「あ、あの、、///その、、りょ、、寮に帰りたいんだけど、、///」
「、、全然方向違うし(笑)まさか方向音痴?」
顔を紅くし、プクーっと膨らんだ頬
うわ、、マジか、、///その表情可愛すぎる!!!
恥ずかしそうに困ってる顔がドストライク過ぎて、一瞬我を忘れそうになった
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