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付録③明智光秀の性格について
小説やドラマの世界では「近代をつくった革命家」の織田信長と「温厚で教養のある常識を備えた知識人」の明智光秀の対立を強調する場合が多い。
そのものズバリ、『鬼と人と 信長と光秀』(堺屋太一 1989 PHP研究所)という小説も書かれた。後に大河ドラマ『秀吉』
(1996)の原作となった。
明智光秀が戦国武将の中でも教養人だったことは確かと思われるが、それだけが光秀の全てではない。
織田信長からも重用される有能な戦国武将だった。
歴史学者の高柳光寿氏は『明智光秀』(1958 吉川弘文館)の中で、
「ふたりとも合理主義者でウマが合った」
と書いている。
「鬼」の信長についていけなくなった「人間」の光秀が反旗を翻したというのは、あくまで小説上のキャラクターで何か裏付けとなる史料があるわけではない。
ルイス・フロイス(1532年 ~ 1597)は、ポルトガルのカトリック司祭で、イエズス会の宣教師として日本で布教活動に当たり、織田信長や豊臣秀吉をよく知る立場にあった。
著書『日本史』(1580年代に執筆されたと推定) では明智光秀についてこう記している。
<裏切りや密会を好み、刑罰に容赦なく独裁的だったが、自分をよく見せるのにも抜け目がなく、戦争では謀略を得意とし忍耐力にも長け、まさに計略と策謀の達人であった>
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