あの頃

1/1
前へ
/8ページ
次へ

あの頃

私が小学校低学年の頃だっただろうか。 父の母。ばぁばが亡くなったのだ。 それをバネに、私は、頭の中を渦巻きで埋めつくしていた。 それは。その時らしい事。そう。 「何故、死ぬのだろうか」 「死ぬのは怖い」 と、言うことだった。 自分はなんなのだろうか。 この感覚、考え事、味、記憶、痛み、視界、すべて、自分にしか分からない。 自分が出来てしまった以上、自分で生きていくしかない。 死んだ後の記憶、感覚はどうなるのだろうか? ー死んだーと実感するのだろうか? ぐるぐるぐるぐる回る頭。 眠れない日がことごとく続いた。 隣で妹が静かに寝ていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加