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20時…間に合った!
ピンポーン♪
「は~い!」
大樹は私を見て持っていた印鑑を落とした。
「はい、これ!」
大樹に手渡した。
「じゃっ!」
私は直ぐに空港に向かわなければならない。大樹に背を向け走り出した。
「真希ちゃん!待って!」
「待てない!21時の飛行機乗らなきゃ、明日会社だもん!」
私は振り返り足踏みをしながら答えて再び向きを変え走り出した。
駅で福岡空港行きの地下鉄を待っていたら大樹が走って来た。
「間に合ったぁ~」
電車の中で大樹に届けに来た行きさつを話した。
大樹は下を向いて笑いを堪えてる。
空港駅に着き猛ダッシュでエスカレーターを登り、チケット売り場に向かった。大樹は少し後ろで走るのを止め立ち止まっている。
「大樹、じゃあね」と手を振ろうとした時。
「真希ちゃん、もういいよ、帰らなくて」
大樹が叫んでる。
「え~っなんで?」
近づいて来た大樹に聞いた。
「帰らなくていい」
「どういう事?」
「もう放っておけない、一緒にいよっ?」
「……」首をかしげた。
「結婚しよう」
❤️❤️ ホワイトデー❤️❤️
イニシャル入りのリングが薬指にあった。
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