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「リーダーがいくら優れていたって、メンバーを信じていなきゃ、どんなプロジェクトだって成功しない」
「…………」
そして佐々木さんはふわりと笑顔を作った。
「いくらお前が男嫌いでも、な」
そう言って再び正面に顔を戻す。
「俺だって失敗前提のプロジェクトなんかするつもりはねぇよ」
強い声で断言されたその台詞がザクリと胸に突き刺さった。あの佐藤部長ですら失敗しても構わないと言っていたのだ。私は肩に落ちた髪を耳に掛ける。なぜだか目頭が熱くなって、マスクの中で唇を噛み締めた。
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