机上の花瓶

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『…先生、どうしましたか?』  生徒の声にハッとする…みれば先ほどの画面は暗いままだ。  私はハンカチを取り出し、額の汗を拭いて笑った。 「いえ、ちょっと教室が暑い気がしましてね…大丈夫ですよ河西さん」  そう言って誤魔化そうとする私に生徒の本田が言った。 『先生、何言ってるんですか?河西さんは先週に交通事故で…』  ぎょっとして彼女の机を見て気づく。  …彼女の机の上に白菊の花瓶が置かれていた。
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