3.星5アイテム、「ハート」

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 同じ路線という事もあって、しばらく隣同士の席に座って揺られる。  電車内だから、とこの会話の弾まない気まずさに言訳して、俺は黙って座っていた。  正面にどこかの高校の女子高生二人組が座っていて、咄嗟に目を逸らす。  別に、気にする事でもないのに、アイツにその二人組を見ていると思われるのが、なんだか嫌だった。  もじ、もじもじ。  妙に空いた間に耐えられず、手持無沙汰に膝に乗せた登校用リュックの紐をいじる。  ドアの上につけられたパネルに映るCMを流し見しながら、後一駅でお別れだな、なんて考えていると、ふと気にかかった。  気まずい、けれど嫌じゃない。  そういえば、一年生の時もこんな感じだった。そう思い出してアイツを見ると、スマホをいじろうとしてやめたのか、手にスマホを抱えながら、俺と同じようにCMを見ているようだった。スマホの画面は伏せてある。  アイツは、どんな気持ちでCMを見ているのだろう。  なんて思っていると、アイツが降りる駅のアナウンスが響いた。 「あっ」  反射的に、残念そうな声を出してしまって、恥ずかしさに俯く。  すると、耳元でアイツがこう囁くのが聞こえた。
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