攻撃、攻撃、また攻撃

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「学費も用意できないで老後はどうされるおつもりなんですか?まさか子供にたかろうなんて考えてるんじゃないでしょうね!」 場が静まり返る、快感が脳を支配する。 私は今娘のために正しいことを言っているのだ。娘に募られたらたまったものじゃない。親として当然の主張だ。 けれど数秒後、相手方の父親は怯むことなく笑顔でこう言った。 「私も妻も地元の市役所で働いていて厚生年金が出るのでそこはご心配なさらず」 右頬に強い衝撃を感じ、次に気がついた時には床が目の前にあった。マナミの声が頭上から聞こえる。 「いい加減にしてよ!パート先も勝手に辞めて子供に集ろうとしてんのお母さんでしょ?!無職で家族も友達もいない、唯一の娘が三流私立大学卒業の事務職の私なのに、よくそんな失礼なこと言えるわね!!」 命よりも大切にしていたマナミに裏切られ唖然とした。 床から震える体を起こすと、マナミは私には目もくれず婚約者の両親に深々と頭を下げていた。 「本当に申し訳ありません、この前父からもお伝えしてありましたが母親がこんなにどうしようもない人間で」 「いや、マナミさんが責任感じることないよ、お父さんからもお母さんのこと聞いてるから」 マナミと婚約者の父が信じられない言葉を発していた。 マナミと婚約者家族は別れた夫に会っていた。 あの浮気して家族を捨てたろくでもない男に。 一瞬のうちに頭に血が昇る、今までの苦労してきた日々が走馬灯のように蘇った。 「マナミどういうことなのよ!あんたもしかしてあの男と会ってたんじゃないでしょうね!」 「会って何が悪いのよ!私の父親よ!私があの部屋出るまで、マンションのローンも学費も生活費もお父さんに出して貰ってた癖に、だから短時間のパートで生活してこれたんでしょ?あの男呼ばわりするのやめてよ!」 その瞬間、自分の中の全てが壊れた。浮気して家族を捨てたあの男をマナミも嫌っているはずだった。 あの男はマナミが家を出た瞬間に、私に何のお金も渡さなくなった。 血も涙もない男だ。 そんな男の血をついでいるマナミは苦労して育ててあげた私よりも、ちょっとのお金を出していたあの男のことを慕っている。 許せない 絶対に許せない 鞄を持ち無言でレストランを後にした。
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