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翌朝、真理愛は登校するなり竜太に捉まった。
少し警戒しながらも応じた真理愛に、彼は頭を深々と下げて謝って来る。竜太の家にも担任から連絡が行き、彼は帰宅して事情を知った父親にこっぴどく叱られたそうだ。
しかしそれ以上に、母親に泣かれたことが何より堪えたらしい。
もともと竜太は明るく元気ではあったが、特別悪い意味で目立つようなことはなかった。どちらかというと、笑いの中心にいるお調子者の印象が強かったのだ。真理愛自身も経験はないが、誰かに意地悪をしたという話も聞いたことがない。
だからこそ、あまりに突然の豹変に驚きも大きかったのだが。
竜太の説明によると、一昨日の夜に両親が「小さい子の髪を染めるのは、あまりよくないんじゃないか」と話していたという。それが彼の中に『子どもが髪を染めるのは悪いこと』とインプットされてしまい、真理愛への攻撃に繋がったようだ。
昨夜叱られた際に理由を訊かれてその話をしたところ、染めている子が悪いのではなく「薬剤を使うのに」という心配からだったと聞かされたらしい。
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