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街角でぶつかり、相手が落としたスマホを拾おうとして指が触れたなんていう、B級ストーリーのような出会いなんか無いと思っていた。
それを覆したのが彼女だった。
初めは彼女の落としたスマホを拾って返し、謝ってからその場を後にした。
でも僕の心には、その日から彼女が住み着いた。
それから一週間後、仕事が終わり同僚と軽く飲んでいた時に彼女と再開した。
彼女も職場の人と飲みに来ていた。
向こうも気づいてくれたことで、僕の心は満たされた。そして同時に虚しさにも襲われた。
そんな僕の表情に気づいたのか、その後も彼女とは何回か目が合った。
そして僕らは寝た。
彼女の髪はとても綺麗だった。僕の指から逃げる髪は二人の未来を予言していたのかもしれない。
でも僕は本当に彼女のことを愛していまっていたんだ。
そして何度目かのキスのあと、彼女の指に残る指輪の跡が目に入った。
「あ、見ちゃった?」と言ってから彼女は、上着のポケットから指輪を出して嵌めた。
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