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「オレ超MAX」
「なにが?」
「緊張感」
「これ緊張する?」銀之助は不思議そうに訊ねた。
「めっちゃ、オレ緊張しいで、さらに行進とかの人間に凝視されるイベントはダメなんだ。オレもう動かない!」
「緊張感にはこれが良いぞ」とイワシを手掴みにした鳥次郎は、少し笑みを浮かべながらイワシを差し出す。
「今そんなの食えるかよ。このバクバクはイワシでは抵抗できない」
ペン太郎はオロオロとして、他からは挙動不審に見える。
「もう吐いちゃえ。これ食って」
無責任な鳥次郎は面白半分に勧める。
「吐く前提かよ」
「たしかに、吐くと緊張感はほぐれるぜ」銀之助はペン太郎の肩を叩いた。
「吐くのはご勘弁」と言いながらペン太郎は、うっぷうっぷとえづき始めている。
「どうすればいい?」
鳥次郎は本気で心配したのか、優しい言葉を発する。しかし自らの翼を見詰め、思い当たることがあったらしく首を左右に振る。
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