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久々に定時にあがれた。太陽が沈みゆくなか、家に向かって重い身体を引きずる。
住宅街に差し掛かると、あちこちから料理の匂いがした。思えば学生の頃、家に帰ると「おかえり」の言葉とともに、夕飯の良い匂いも出迎えてくれたっけ。ふと見上げれば、一つ星が輝いている。
「今日ぐらいは美味しいものでも食べて、ゆっくりしてね」
部活でくたくたに疲れた時に、母がかけてくれた言葉を思い出した。一つ星は優しげに瞬いている。私達を見守るように、勇気づけるように。
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