第9章  乱れゆく船内

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「『Nearer,My God to Thee.』賛美歌の320番。 主よ、御許【みもと】に近づかん だ」 罪を犯したり 弱き者をいたぶったりと愚かな行為をしてしまう我々人間をどうか許し、 我々と共にいてください‥‥‥‥‥ 様々な苦しみからどうかお救いください‥‥‥‥‥ そんな想いでこれを演奏する。 恐怖と哀しみで手元は狂う。 弦を見る眼は潤み音は震える。 しかし彼らの演奏には不思議と穏やかさと優しさ、 愛がある。 これから死ぬという恐怖を薄めていくような柔らかな心地よい音の調べ‥‥‥‥‥‥ 楽しかったこと、嬉しかったこと‥‥‥‥‥ 全てを胸に抱き締め‥‥‥‥‥‥
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