第9章  乱れゆく船内

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「貴方、何があっても一緒に生きましょうね?」 絶対よ?! と大手百貨店のオーナー・イジドーの妻であるアイダが念を押して彼にそう尋ねるも、 その願いや希望はこの状況下で叶う保証など何処にもないのだ。 出来る誓いとしたら 『共に死ぬこと』‥‥‥‥‥ アイダの哀しみの涙を拭い 勿論だよ、 と彼は答えるもそれが無理だと胸中では悟っている。 冷静を装い、 しかし半ば感情的にならざるを得ない。
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