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あの人は私の話にいつも相槌を打ってくれる。
でも、その相槌は決まっている。
『なるほどね?』
正直なところ、私の話を聞いてくれているかどうか、分からない。
その言葉を咎めると、別の言葉で温かく返してくれる。
ああでも、やっぱり。
あの人は私に対して冷たいのだろう。
あの人は私を必要とはしていないのだろう。
――なるほどね。
それでも、やっぱり。
私はあの人を必要としているのだ。
あの人がいなければ、私には誰もいなくなってしまうから。
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