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『ばっかもーん!ゆうや!』
色白の顔を耳まで真っ赤に染めたロバートデニーロ似の老人が特大のカミナリを落とした。古希を越えているとはとても思えないボリュームのロマンスグレーの髪が風もないのにゆらゆら揺れる。彼が発する怒りの静電気なのだろうか。
「だってさあ、もう3回忌過ぎたら直系だけでいいだろ。政子おばちゃんにもわざわざ足運んでもらうのも悪いよ。もう歳だし大変だと思ったし。」
『アホか。直系って、息子の正男と嫁とお前だけやないか!寂しいわ!悲しいわ!侘しいわ!こんな7回忌なんて死んでも死にきれやんわ!』
《じいちゃん。もう......死んでるよ。》
21インチの黒枠のモニターの中にいる じいちゃんに対し、俺は心の中でツッコミをいれた。
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