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結衣
「え?なに?」
ハルトも櫂も興味津々だ。
「子供食堂です。いろんな事情があってなかなかきちんとした食事をとれない子供のための」
「あ、最近あちこちでやってるね」
「でも私の場合、そういう子供のためというより、私が自分の子供にできなかったこと、してあげたくても出来ないことの欲求を満たすためのことかも?でも、それが夢です。いつか実現させたいです」
あ、結衣さんの目もキラキラしてる。
「素敵なことですね。だから、お料理を頑張ってるんですね」
「はい、夢だと思えることができてから、今の仕事も頑張れるようになりました。空き店舗も探そうかな?と考えるようになったし」
「そうですか。あ、そういえばここらそう遠くないところに空いてる店舗がありますよ。長屋みたいなところの一つですが。見てきてはいかがですか?」
「はい、今すぐにとはいきませんが、モチベーションを上げるために、見てきます」
「では地図を書きますので、葵さん、近いうちに乗せていってあげてくださいね」
「はい!任せてください」
いいなぁ、いいなぁ!
私も何か見つかるといいなぁ。
「ね、櫂は?何かやりたいことあるの?」
思い立って聞いてみた。
「俺?俺はとりあえず麗子さんの家族、兼運転手、兼美容師、兼息子がわりかな?麗子さんに助けてもらったから、恩返し。でもそうやってるうちに色々できるようになったからね。ありがとうって言われることをやりたいかなぁ?」
「あ、ありがとうといえば、定例会の時はありがとう!彼氏のフリをしてくれて。お陰でスッキリした!」
「あぁ、あんなこと。スッキリしたならよかった」
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