179人が本棚に入れています
本棚に追加
責任ある大人の行動…か。
今朝も郁人に引きずり込まれた。
「ダメだよ、遅刻しちゃうから」
そう言いながらも、求められると応えてしまう自分に時たまイラつく。
それでも、私の指先や唇でだんだん高まっていく郁人の声が聞こえると、うれしくなる自分もいる。
「なんだかなぁ…」
給湯室でお茶の準備をしながら、独り言がでる。
「おはよ、どうしたの?そのため息は。今日も朝から女史に追い詰められてたから?」
コーヒーカップを並べて、話しかけてきたのは同僚の奈津。
「あー、でも、遅刻ギリギリなのは私のせいだしね、あちっ!」
「また朝から、イタシタわけ?」
「いや、したっていうか、してあげた?」
「は?そのために遅刻ギリギリになったの?そんなにエロい女だった?」
「違うと思う、私がしたいわけじゃなくて、してって言われるから…」
「え?なにそれ、してあげてるの?」
「あ、いや、まぁ…」
「ちょっと!お茶の支度にどれだけ時間かけてるの?」
柊子が入ってきた。
「え、すみません、すぐ行きます!」
奈津は先に出て行った。
「私も、戻ります」
私ったら朝から何を話してるんだろ?
思い出したらいまさらながら、恥ずかしくなった。
最初のコメントを投稿しよう!