1リラ.本能寺が変

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1リラ.本能寺が変

明け方、わしの京の定宿『本能寺』は喧騒に包まれておった。 小姓衆も下々の喧嘩だと想うてた。 処が、畏れ多くもわしの居る御殿に火縄銃(たねがしま)を撃ち込んできたがおった。 わしは、傍らに侍る蘭丸に問うた。 「こは謀反か。如何なる者の企てぞ?」 「明智が者と見え申し(そうろう)」 「光秀(キンカン)か……是非に及ばず!」 光秀の頭の形はいびつである。 縦長で金柑(キンカン)に似ておる。 故にキンカンと呼んでおる。 秀吉(ハゲネズミ)ならまだしも、用意周到な光秀(キンカン)の策じゃ。 恐らく、脱出は叶うまい。 第六天魔王信長と恐れられたこのわしも、いよいよ年貢の納め時か。 まぁわしは、納める方じゃなくて、搾取する方じゃがな! ……て、言うてる場合か! でらヤバし。
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