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夏樹くんの、ぶっ飛んだ一面に春奈と胡桃は驚いて、お互いに顔を見合わせていた。
私は昼間の1件があったから、そこまで驚かないけど......。
「へい、おまちぃ!」
た、たすかったぁ......、シーンとした空気で、なんて声を出せばいいのか迷っていた時に、ちょうど店員さんが私の頼んだ飲み物を持ってきた。ナイスタイミング!
「さ、さぁ、食べようか!」
気を取り直して、春奈が言った。
「そうですね!食べましょう!」
胡桃もそんな空気を吹き飛ばすかのように明るく言う。
「はい、それじゃあ、お疲れ様~そして、夏樹くんの歓迎会ーーということで、かんぱーい!」
一気に空気が戻り、私も明るくグラスを掲げて、飲み会がスタートした。それぞれがおつまみをつまみながら、お酒を片手に話し始める。
「ねぇ、黒瀬くんってモテるでしょ?」
春奈が突然、ぶっ込んだ質問を夏樹くんにする。
「えっ?まぁ......そうですね......」
「嬉しくないんですか?」
「好きな人から好かれるのは嬉しいですけど、どうでもいい人から好かれてもちょっと......」
春奈も胡桃も、興味津々に聞いているけど、何故か夏樹くんの視線は私に向いている。
「な、なに?夏樹くん......?」
「なんでもないですよ~」
サラッと流した夏樹くんは、そのまま2杯目を注文している。
「そんなことより、北見さん!仕事中の紗知先輩ってどんな感じなんですか?」
そんなことよりって、ーー夏樹くんはいきなり何を言い出すのだ......。
「紗知はねーー」
そして、春奈は何故かノリノリで答え始めた。
「自分より、周りを優先するの。それで、実績も着いてくるから凄いのよね。
真似したくても、真似出来ない感じ!
......ちょっと抜けてる所もあるけど、頼れるし、仕事してる時の紗知はカッコイイよ」
「ちょっ......!春奈......!」
慌てて止めようとしても、熱弁している春奈には、聞こえていないらしい。
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