2.溺愛宣言

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「わかる!わかるよ!こんな顔なのに、仕事出来て、頼りになるとかかっこいいよね! 自覚ない所とか、危なっかしくて、護りたくなるよね!」 それに、こんな顔ってーー失礼なっ!悪かったわね、こんな顔で。どうせ、見苦しい顔ですよ......。 心の中で突っ込みながらも、落ち込んでくる。 しかも、春奈のは褒めてるのか貶してるのか分からない。 「「同士......!」」 そう言って、何故か目を輝かせている2人。 そして、2人して手を取り合わないで......。 胡桃も二人の会話に頷いてるしーー、私にはついていけない。もう放っておこう......。 そう思って、ちびちびとグラスを傾けていると、突然呼ばれた。 「ということで、紗知先輩?」 「え?」 なにが、ということでーーだ。 夏樹くんに、いきなり呼ばれるとは思っていなくてびっくりする。 「俺、紗知先輩のこと誰にも渡さないんで、覚悟しててくださいね?」 「......?わかった」 どうして覚悟が必要なのかはよく分からないけど、分かったことにしておこう。 ここで分からないと言うのは、なんだか面倒くさい事になりそうだ......。 「ーー黒瀬くん......がんばれ」 「紗知先輩は、こういう所には鈍感ですからね、黒瀬くん大変ですね......」 「はぁ......先は長そうだ」 分かってない私を置いて、春奈と胡桃に応援された夏樹くんは遠い目をしていた。 それからは、お酒も進みながら他愛のない話をしていた。机の上に、次々とからのジョッキやグラスが増えていく。 みんな、飲むスピード早いーー、特に夏樹くん。 お酒は強いらしく、すでに8杯目に到達していた。 そして、私もいつもよりハイペースで飲んでいる。4杯目のカクテルが私の前に置かれた時、私の中で収まりきらない愚痴が声に出ていた。 「もぅ......なんで私が指導係なんか......」 ちなみに、お酒は強い方ではないーー。
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