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連れてきちゃいました......って、そりゃ飲みすぎた私も悪いけどーー。でも、そのまま放置されるより良かったのかな。
「ーーえっと......その、ありがとう」
とりあえず、お礼は言っておこう。
春奈達は家もっと遠いから、早く帰らないといけなかったのだろうし。
パニックになっていた頭が、少し落ち着いてきた。
「あと、その......」
落ち着いた私をチラチラと見ながら、夏樹くんはなにかを言いにくそうにしていた。
「ーー見えそうです......」
その言葉だけでは、意味がわからなかったけれど、夏樹くんの視線を辿ってみる。
「ふぁっ!?」
視線を下げて、胸元を見るとブラウスのボタンが3つ外れていて、今にも見えそうになっていた。
慌てて、ブラウスをぎゅっと握り、前を隠す。
見られた!?恥ずかしすぎる......。
顔が熱くなるのを感じながら、キッと夏樹くんを見た。
「えっと、すいません......見るつもりはなくてーーその......」
その、しどろもどろな感じが怪しい。疑うような目を夏樹くんに向ける。
「あ、何もしてないですよ!ただ、苦しそうだったからボタン外しただけで......」
「で、でも......見たんでしょ!」
恥ずかしくて、穴があったら入りたいくらいだ。
「可愛すぎる寝顔は見ましたよ!それに、紗知先輩から甘えられるのとか、嬉しすぎました!」
何故か興奮している夏樹くんからは、私が求めていた答えとは違う言葉が返ってきた。
嬉しいとか、感想なんか求めてないっ!
「えっ?ちょっと待ってーー今なんて言った?」
テンションについて行けずに、危うくスルーしてしまう所だった。
なんか、聞きたくなかったことを言っていた気がするーー。
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