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「大河内 美亜さんですね、お座り下さい」
カタンと椅子に座った大河内さんはキョロキョロと辺りを見渡している。
「なにここ、変な場所」
「そうですね、みなさん驚かれます」
きっと最初はこれがお決まりの会話なのだろう。
そんなことを思いながら、今回はあまり口を挟まないようにしようと手元の作業に集中する。
「大河内 美亜さん、満17歳ですね」
「17!?」
無理だった...。
出だしから口を挟んだことにより、ケバオちゃんはゆっくりと私の方を見た。
表情を一切変えていないことが逆に怖い。
「なーに、この人」
「あ、すいません。いや、若いなぁと思って」
「まぁねー、あなたよりはだいぶ若いと思うけど」
ツラッとした表情でそう口にした大河内さんに悪気は全くなさそうだが、もうすぐ30を迎える手前これにはグサッとくる。
何より腹正しいのは横でケバオちゃんがプッと吹き出したことだが。
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