Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい!

2/157
前へ
/157ページ
次へ
(わぁ、お店がいっぱいだ!) 楽しみにしていた蚤の市にやって来た。 あんまり荷物になるものは困るけど、アンティークなフランスの小物をいくつか買いたいと思ってた。 人も多いけど、かき分ける程では無い。 私は、初めて蚤の市に来られたことで浮かれた気分を感じながら、ずらりと並んだ露店の品物を見て歩いた。 (たくさんあったなぁ。) いつの間にか私は、蚤の市の端っこまで辿り着いていた。 とりあえず、気に入ったものは何点かあった。 折り返して、その品物をじっくり見よう、そう思った時、まだあと一軒、店があるのに気が付いた。 その店は、他の店と違って、幌が被せてあり、中は見えなくなっていた。 なんだか少し不気味だ。 でも、却ってそのことが興味をそそる。 私はその店に向かった。 「Cava」 一応、声をかけながら、入り口の幌をまくった。 「あれ?」 薄暗い、その中には、大きめの姿見が置いてあるだけで、人はいなかった。 (わ、綺麗な彫刻。) 姿見の枠に惹かれて、私は鏡の傍に歩いた。 (え!?) 鏡の前に立ったら、目も眩むような明るい光に包まれて…
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加