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い、今、いけにえって言った?
生贄って、確か…神様に人を捧げるあれ、よね?
水害が起きないように、とか、なんらかの願いのために。
でも、それって、昔のことよね?
この現代でそんなことやったら、問題になる…
あ!だから、私は秘密裏に誘拐されたの!?
「巫女様、お顔の色がお悪いです。」
「……そうでしょうね。」
私はベッドの縁に腰掛けた。
「ねぇ、ちょっと詳しい話を教えてくれる?
そもそも、私はどうしてここへ連れて来られたの?
事情を教えて。」
怒りのようなものが、私を逆に落ち着かせていた。
とりあえず、話を聞かないと状況がわからないままだから。
「それは偏に、アルシオン王国の存続のためでございます。」
ここがアルシオン城だから、この国がアルシオン王国なのね。
でも、フランスにそんな国あったっけ?
「存続って、跡継ぎがどうかしたの?」
「はい。この国にはお二人の王子がおられたのですが、先だっての流行り病にて、相次いでお亡くなりになられたのです。」
なるほど、だんだんわかってきたぞ。
でも、流行り病ってなんだろう?
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