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「それはお気の毒だと思うけど…ほら、王様がいらっしゃるのなら、まだこれからお子さんが生まれることだってあるじゃない。」
「王子様達が亡くなられたことで、お妃様は後を追うようにお亡くなりになられ、王様も体調を崩されました。」
メイドさん達は悲しそうに顔を伏せた。
「だ、だったら、生贄なんて非科学的なことを言ってないで、まずは王様のお体を治して、新たにお妃様を迎えるのが良いんじゃないかなぁ。」
「はい、今までに何人もの医師が王様を診ましたがなかなか良くはならず…おそらく、生贄を捧げることでしか、王様は助からないのではないかという結論に達しました。
そこで宮廷魔道士であるサーマリー様が秘術を使い、生贄の巫女様を鏡から呼ばれたのです。」
「は、はは、ははは。」
空虚な笑いが口をついて飛び出した。
意味がわからないんですけど~!
バッカじゃないの?
生贄で王様の体が良くなるなんて、本気で考えてるんだろうか?
それに、万一、なんかの奇跡で治ったとしても、誰かの犠牲で助かるなんて、それで王様の胸は痛まないのか?
そんな奴、王様の資格なんてないんじゃないの?
って、心の中で悪態を吐いてみたところで、状況は変わらない。
助かる道を探さなくては!
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