僕が学校に行くことにした理由

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 僕の将来の夢は小説家になることだ。    僕には、スポーツ選手になれるような運動神経はないし、歌だってうまく歌えない、たしかな志もないから政治家にもなれない。  じゃあ、何ができるのか?  それは小説を書くことだ。  こんな僕でも文章を書くのは得意なのだ。国語だって得意だったし、読書感想文で賞だってもらったことがある。  そう、僕には軽く『文才』ってやつがあるのだと思っている。  いくつもの作品を書いて、数多の賞を受賞して、書く作品すべてを大ヒットさせて、印税で暮らしていく。  映画化なんかされれば、その時代をときめく芸能人と出会うこともできるかもしれない。  凄い、凄すぎる!   僕の将来へのロードマップは完璧だ。    というわけで、僕の処女作「金曜日のアフリカ」を、とある文学賞に応募してみることにした。
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