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守りたい4
【※性暴力表現あり 観覧注意】
「悟、お前には使いたくなかったけどよ?こいつの良さがわかったらもう2度と俺にそんな口聞けなくなるぜ?」
「や……止め」
悟は青くなり痛む体を無理矢理動かし抵抗するが嘉人は白い粉を水に溶かすと注射針でそれを吸い取り悟の腕に手を伸ばした。
類は携帯を握りしめて小さくなって息を殺していた。
悟の悲鳴が聞こえる度に飛び出して行きたい衝動と恐ろしくて縮み上がる思いでいっぱいだった。
その時握りしめていた悟の携帯が鳴った。
それは飛び出した悟を探す店からのものだった。
【しまった!マナーモードにするの忘れてた】
「加納、やべぇ。この中のヤツ携帯持ってやがる」
「何?」
トイレの表で声がすると同時に再び激しく扉を叩かれ類はビクッとした。
「開けやがれっ!」
「ひっ」
類は急いで再び竜牙の携帯に電話をかける。
『類?おい、類っ!』
電話の向こうから竜牙が叫ぶ。
「ドライバーを持ってくる。ノブごと外してやる」
【な、何だって?!】
「竜牙っ助けて!アイツらドライバーでノブ外すって。もう……だめだ」
『いいか?落ち着け。もうそこまで来てる。すぐに助けてやるからな?』
激しくノブを弄る音がする。恐怖に携帯を落とし類は再びトイレの奥に後ずさりし小さくなって膝を抱えた。
【竜牙……】
その時ふと室内が明るくなり類の足元にノブが転がった。恐る恐る顔を上げるとそこにドライバーを握りしめた嘉人ともう1人の男がニヤリと笑っていた。
「おらっ、手こずらせやがって。出て来い!」
「嫌だ、離せよっ」
電話の向こうから聞こえる雑音の後、連絡が途絶えた。
「類!類!」
「どうした」
「やべぇ。奴等突破しやがった」
「こっちも着いたぞ。あのマンションだ」
急ブレーキをかけ止まったタクシーから2人は降りると建物の中に急いで入っていく。
【頼む!間に合えっ】
嘉人は悟の携帯をトイレの中に沈めると暴れる類を担ぎあげ、悟の居る部屋に連れて行きベッドへその体を放り投げた。
待ってましたと男達がそんな類に覆いかぶさった。服を脱がせると類の華奢な肌が晒されていく。
「止めて。止めさせて、嘉人っ」
「ひっ、止めろっ、俺に触るなぁ」
類は辰巳達に襲われた時の事を思い出し、みるみる顔は青ざめていく。
「悟はこっちだ」
「離せよ!……類くんっ」
嘉人は類の元へ行こうとする悟を抱き寄せながら、類が奴等に剥かれていくのをニヤニヤ笑って高みの見物をしている。
【何やってるんだ、竜牙の奴。早くしないと類くんが……】
そんな悟の目の前に注射針の先端がキラリと光る。
「お前はこっち……だろ?」
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