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バイト先にカギを忘れたのなら自分の部屋に入れないいじゃないですか、
鍵を開けてエレベーターに乗った後に、そう言えば「え、確かに」なんていま気づいたかのように驚いて、慌てだして。
この人はとてもバカなのだと思った。失礼な話だけど、これはいまでも撤回できないままだ。
『…来ます?部屋』
わたしの良心が、彼の冷え切った身体をそのままにできなかった、それだけの理由で、わたしは誰も入れたことない部屋に軽々とちっとも仲良くないお隣さんを招き入れたのだ。
「もう全力で、バカみたいに急いで、アイツの部屋に行ったら、もうぐちゃぐちゃに泣いてて、もっと早くいってあげればよかったって思ったの、」
でも、そう思ってる時点で負けなんだよなあ。
缶に残ったビールを一気に飲み干して、ぐしゃ、とつぶした。
リキの癖。ゆすぎたいから潰さないでっていつも言っているのに、いつも構わず潰すんだ。
当の本人にそんな気はないのに、アルコールがそうさせているのだろうか。
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