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「ははっ!冗談だよ!そうだ、今日は楽器を持って来たんだ」
シュウが担いできた袋の中には、弦楽器が入っていた。
マンドリンというこの国の伝統的な楽器で、艶のある木製の丸い本体に金の縁取りが施されている。
「ミュウは楽器に興味あるのかな…?」
「ミュ~?」
ミュウは再び右手を水面から出した。
人魚の皮膚は乾きやすいのですぐに乾燥し、恐る恐る楽器の持ち手に触れた。
どうやら楽器を見るのは初めてらしい。
「これはね、こうやって右手で棒の部分を持って、左手で弦をはじいて弾くんだよ」
シュウが実際に音を鳴らして見せると、静かな森と湖にマンドリンの音が響いた。
鳥のさえずりのように美しく、異世界を想像させるような不思議な音色だ。
シュウは母親に教わった短い曲を弾き終えた。
「いい音だと思うんだけど、どうだった?」
「ミュ~!」
ミューは目を輝かせた。
この音色をずっと聴いていたくなると感じるのは、人間も人魚も同じらしい。
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