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爽やかな春風が吹き抜ける朝。
小さな木造の家で、母と姉弟が食卓を囲んでいた。
滑らかな木の素材でできた壁や家具は新品のように傷ひとつなく、陽の差す森にいるような安心感をもたらす。
サンドウィッチが盛られた純白の皿には金の縁取りが施されていて、とても高価な物に見える。
弟のシュウは9才で、姉のマリアは15才。
二人とも具材たっぷりのサンドウィッチに夢中になっている。
頬に白いソースをつけたままのシュウがふと顔を上げた。
「母さん。僕、今日は帰りが遅くなると思う。」
「また?…わかったわ。ケガしないように気を付けるのよ」
母は、息子がよく森に行っていることを知っているので心配そうだ。
姉は、弟が頻繁に森に遊びに行くのを不思議がっていた。
「シュウ、あんたまた森に行くの?何か面白いことでもあるわけ?」
「うん!」
少年は青い目を輝かせた。
「人魚さんがいるんだよ!人魚さんが一緒に遊んでくれるの!」
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