大正紙風船~「明治最終列車」の折り返しで、東京に戻ってきた女の子たちが始める「大正改元」の時代を背景にした女学校再建の物語

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大正紙風船 A1下関駅・ホーム 吉川るうが大きな風呂敷包みを抱えて歩いている。 そのホームに東京からの急行列車が停車している。 スーパー「明治45年7月30日」 るうの歩く前方に、数人の女と背広姿の男、警官がいる。 刑事、警官、れいかを押さえ、縛る。 刑事「藤宮れいか。国外逃亡及び国家反逆の罪で逮捕する」 れいか「何をするのです!私はお上の御用を」 刑事「東京でおまえの内縁の夫・大高を逮捕した。大高はすべて吐いたぞ。おまえが、警視庁の密偵をしながら、警察情報を社会主義者らに流してた事をな」 うなだれるれいか。 驚くメンバーたち。 刑事「さらに、富山県上新川郡岩瀬町役場への請願示威行動、昨日の富山市における富豪襲撃事件も、おまえが制服向上委員会なる主義者団体の名を騙って扇動したことが知れておる。その上、一連の事件捜査から逃れるため、本日、この下関から連絡線で釜山に渡って、朝鮮への逃亡をはかっておったことも判明致しておる。神妙にしろ」 と刑事、警官、れいかを引き立ててホームの向こうへ行く。 そこで、るうとぶつかる。 るう倒れて、風呂敷包みを落とす。 さくら「(駆け寄って)ごめんね(とるうを助け起こし、風呂敷包みを拾う)」 渚「(れいかを見送って)れいかさん・・・・あの人が制服向上委員会だったのよ」 と手帳をみんなに見せる。 手帳の写真大きく写る。 みやび「制服向上委員会16期生・藤宮れいか。あの藤宮が伝説の10代目委員長にして、最後は会長として、数多くの民衆の戦いを導いた伝説の人だったのね」 といって、みんなで改札口へ歩いていく。 ひとり取り残されたような、るう。 A2テロップ T「明治45年7月30日。 明治天皇崩御。 『天皇の世紀』が終わろうとしていた」 A3下関駅・待合室(夕方) 7月の下関は、まだ日没していない。 少しだけたそがれた待合室に、ひとり座っている、るう。
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