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【 これまでのお話 】
~◇~◆~◇~
都内の大学に通う葉山恒星の裏の顔は、同級生・新堂翠の率いる「怪盗ブルー」の実行担当。
家出女子高生・ミーコも仲間に入り、三人は翠の家で共同生活をしている。
元ラグビー部でスポーツ万能、他人の嘘がわかるという特殊能力を持つ恒星と、スリの名手で抜群の勘を持つミーコ、そして、ブルーの頭脳担当で容姿端麗な翠。
口は悪いが世話焼き体質の恒星は、「相棒」が口癖の外国育ちでどこか不器用な翠と、少しずつ歩み寄ってきた。
銀座の真山第一美術館から、希少な揃いのオパール”双子の銀河”を盗み出したのを手始めに、ホテル・マヤマの一つ星料理店でのレシピ盗難/食品偽装事件や、真山総合病院からの盗電/闇カルテ事件など、事件を重ねながら日本最大の企業グループ「真山グループ」の闇を暴いていくブルー。
翠=ブルーの真のターゲットは、「真山グループ」総裁の真山晴臣とその妻陽子だった。
翠の遺伝子上の両親である彼らは、心臓移植の必要な長男・慧のドナーにするという目的で、1999年2月、自分たちの受精卵を用いた体外受精により、翠を代理母に出産させた。
翠が3歳になる直前、シングルマザーとして翠を育てていた代理母・成海碧は、幼い彼を連れて真山家からの逃亡をはかったが、捕らえられて行方不明に。
母親と引き離され、心臓移植で命を奪われる寸前だった翠は、真山家の顧問弁護士だった新堂の手で海外へ逃れ、一命をとりとめる。
その3年後、長男を亡くした真山家では、スイスで逃亡生活を送っていた翠を二男として跡取りにしようと誘拐を企てるが失敗。
新堂の養子となった翠は、その後もイギリス・アメリカと住処を移し、真山家からの逃亡生活を送った。
自分たち母子と真山家との過去の経緯を知った翠は、日本に戻って真山家の悪事を暴くため、15歳の春に帰国し東京の高校に入学する。
高校で翠が出会ったのが、自分とそっくりなプロポーションを持つ恒星だった。
高校卒業直前に父を亡くした恒星を、翠は自宅に居候させ、自分の始めた「便利屋・ブルーオーシャン」のアルバイトに雇う。
恒星の適性を見極めた翠は、その後ひそかに「怪盗ブルー」の計画をスタートさせたのだった。
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