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ずっと好きだと思っていたけれど、叶わない恋は、中学一年が終わる頃には萎れていった。
織田くんはその後もその彼女とずっと付き合っていて、確か同じ高校に通って、高校二年の終わり頃まで、付き合っていたと思う。
私は高校が違かったから詳しく知らないけれど、織田くんは私がアルバイトしていたコンビニから家が近くて、時々学校帰りとか、ガソリンスタンドのアルバイトに行く前とかにコンビニにやってきて、中学時代より顔を合わせる機会が増えた。
その頃にはもう織田くんのことをなんとも思っていなかったけれど、高校生になってお化粧も覚えて女らしくなった私を見て、織田くんは目尻に皺を寄せながら、白い歯を見せて笑った。
「萌、高校生になって可愛くなったな」
それだけで、私の小学生の片想いは成仏することができた。
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