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「剣に関しちゃ品揃え豊富そうだしな。まっ、じいさんが集めてくれたから俺もこの相棒が手に入ったんだからありがたい話だよ」
「その相棒はどんな感じじゃ?」
「文句無しだ。ここまでしっくり来たのは初めてかもな」
「それは何よりじゃ。大事に使ってやるんじゃぞ?」
「わかってるさ」
ユラシルとゼックがそんな話をしている間、バズギーは壁にかけられた斧を手にしては握り心地を確かめたり軽く振ったりして考え、それから次の斧へ移っていく。そんなバズギーを眺めていたユラシルは、
「バズギーはどんな斧が好みなんだー?」
「それなりのデカさと重さだな。斧は一撃の威力が他の武器より高いから振り応えのある奴がいい」
「ふむふむ。じいさん、ここにある斧で一番いい品質は?」
「『最優』じゃな。ちょうどローズエッタの息子が持っとるのがそうじゃ。斧は剣や槍と比べてあまり使われんし、エマリエーカ王国の騎士もほとんど使っておらん。儂が知るだけでも二人くらいかのぉ」
「まぁ斧は一撃が強くても重さや形状からあんまり連続で振れる物じゃねーからな」
「一人はあやつの親父で、もう一人は今の『ファイブナイト』におる。確かそやつの斧は『煉光』じゃったかの」
「『煉光』の斧?聞いたことも見たこともねーぞそんなの」
「特注品と言っておったからの、自分で材料を手に入れて作ってもらったそうじゃ」
「なるほど、一から作ったのか。んでバズギー、その斧はどうだ?この店で一番いい奴らしいけど」
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