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バズギーもゼックもユラシルの考えがわからず小首を傾げる。とりあえず言われた通りにバズギーは柄を握る右手に力を籠めた。
「力いっぱいって言われてもな…全力ってことか?」
「ああ、お前の握力ならなんとかなるはずだよ」
「……じゃあ」
バズギーは全力で柄を持ってみる。すると直後だ、黄色い波紋が淡く光を放ったと同時にパチンパチンと放電し始めた。
「いっ!?」
「なんと…!」
「自然石で出来た『異彩』の武器は普段から力を発揮するわけじゃないんだよ。ちゃんと燃料が必要で、それは人間の中にある力に反応するんだ」
「人間の中…?それってつまり」
「そっ、こいつの力を引き出すのに必要なのはワール………んッ!!閃いたぁ!!」
突然声を張ったユラシルに驚く二人。だがユラシルは気にもしないまま、
「じいさん、この剣ちょっとだけ貸してくれないか!?すぐ返す!五分後に返すから!」
「あ…うむ、構わんが?」
「よしっバズギー付いてこい!」
「はっ!?おっおいリーバック!?」
店を出ていったユラシルを慌てて追いかけていくバズギー。ゼックはポカンと口を開けたまましばし固まってしまっていた。
ユラシルとバズギーは店の裏にある空いたスペースに移動。人目につかない場所にやって来てユラシルはバズギーから『異彩』の剣を手渡してもらい、
「バズギー、いいこと思い付いたぜ俺」
「な、なんだよいいことって?」
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