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エマリエーカ王国。
広大な領土を保有し栄えたこの国は人間が住む地域としては最大級であり、且つ最も人材や経済力が有力であると評される大国である。
流通のほとんどがエマリエーカ王国を基点とし、とりあえずエマリエーカ王国と仲良くしていれば自国の衰退は無いと思われるほどに発展している。
中でも特筆すべきは人類最強の称号を持つ『赤熱の女神』がいること。彼女の手にかかれば弱小国など半日で平地に変えられてしまうのだから敵に回すなんて愚考はまず起きない。
だがエマリエーカ王国最大戦力は『赤熱の女神』だけではない。
国王に忠誠を誓った騎士たちの最高位。国王直々に任命された五人の騎士『ファイブナイト』もまた脅威。『赤熱の女神』と並ぶエマリエーカ王国の切り札である五人の騎士たちである。
基本的に国王の命令のみに従い、常に国王を守る砦のような存在たち。
そんな彼らはエマリエーカ王国王宮のとある部屋に集まりテーブルを囲っていた。
「非常に悩ましいな」
口火を切ったのは『ファイブナイト』の主軸である筆頭騎士、ベリファー・シスタムだった。
「国王様が体調を崩してしまった。その原因が王宮地下の極秘実験施設……実験を指揮した科学者は処刑されたが、首謀者がわからないとなるとまだ油断は出来ない」
「確かにそうですね。あれほどの施設の準備を極秘で行えるとすれば家臣の誰かが怪しいですが、証拠が無い以上どうしようもありません」
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