第6話 唆された自然の脅威

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「───失敗、ですか」 「申し訳ありません。力及ばずでした」 アリッシュ、ベリファー、ケミーが王たちが集まる部屋で片膝を付き深々と頭を下げる。女王シスフィートはベッドの上で目を瞑りしばし考えてから、 「あなたたちの力を疑ってはいません。それでいながら奪い返せなかったということは、敵は相当な脅威であるということなんですね」 「捜索は今後『ファイブナイト』が全霊をもって続けます。必ずや奪い返してみせます」 「私も、『赤熱の女神』の名に懸けて必ず見つけ出します」 「よろしくお願いします。この件はエマリエーカ王国やテイミスク連合国だけの問題ではありません。各国の協力も必要になります」 「もちろんそのつもりだ、シスフィート。この際国々の争いなどに拘っている場合ではないからな」 「そーだな、テイミスクもアベルセンも、エマリエーカに何かしらの不満や義憤があるんだろうがここで一旦水に流すのがいいだろな。ブリスアイアも協力は惜しまねえよ」 「ありがとうございます、お二方」 「それじゃあこれからは仲良くしましょう。思うところはあってもこれから私たちは協力関係、言ってみれば仲間になるんですから」 「仲間…か…。フッ、まだ幼いのに肝が座っているな、エマリエーカの王女は」 「こりゃ将来が楽しみだなぁ」 「ええ、そうですね」
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