第6話 唆された自然の脅威

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かつてのいざこざを無かったことには出来ない。でもそこから歩み寄れば何かが変わる。 その何かを見るためにも、エマリエーカ王国、テイミスク連合国、アベルセン共和国、ブリスアイア海上国が手を取り合った。 歴史的快挙の場を目撃したベリファーとケミーは目を合わせて微笑み、アリッシュも微笑みながら頷く。 事態が切迫していても全てが悪い方向へ転がることはない。同じ目標から力を合わせ、足並みを揃えることが出来れば事態も変化する。 そう信じて、ここに四ヵ国が同盟の名の下に寄り添った。 ───そんな時、同時刻。同じくテイミスク城のとある一室では、 「俺が死んだと思った人手~上げて!」 同盟を結んだ各国の子供たちが、死んだと聞かされていた少年の登場に静まり返っていた。 「お?誰も死んだと思ってなかったのか?これなら謝らなくていいなうんうん」 「………ユラシル…くん…?え…ほ、本物…!?」 「なんだよレビック疑ってんのか?しょうがないな、お前がこっそり話してくれた初恋の話をしてやろうじゃないか」 「一度もしてないけど………あ、うん。この感じは本物だね…」 「ユ゛ラ゛ジル゛ざん゛~~~~~!!!!」 「化物みたいな声で抱き付いてくるんじゃないよシェリムちゃんよ~可愛い奴だなぁ」
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