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続けたのは『ファイブナイト』唯一の女性騎士ケミー・シルグ。金髪の髪を後ろで束ねた凛々しい雰囲気のある彼女の言葉にベリファーが唸る。
「そっちは追い追い調べていくしかねーよ。いずれ尻尾を掴む時が来るぜ」
返したのは大柄な男性騎士ターギー・ロッケン。白い短髪の頭と左目横にある傷跡が特徴的な筋骨隆々な彼に続いたのは隣に座る黒い長髪の華奢な男性騎士フィルセル・エバンズだ。
「調査は他の騎士たちに任せる。国王様は心配、でも我々の使命が第一」
「わかっているさフィルセル。国王様から託されたこの案件、なんとしても我々で成し遂げなければならない」
「その使命が七日後にテイミスク連合国で開催される合同戦闘訓練の参加者選考かぁ……これホントに俺らがやる仕事なのかね?」
頬杖をつきながらげんなりした顔で一枚の紙を振って見せる男性騎士アンシュリー・グリアランタ。唯一の女性ケミーよりも背が低い小柄で、赤みがかった茶髪をトゲトゲしく逆立てた彼の感想はターギーも同感だった。
「任された以上はやる。それがエマリエーカ王国国王専属騎士『ファイブナイト』の務めだ」
「子供たちの選考は先日行われた王前試合を参考にして選べばいいし、参加の有無は他の騎士に任せればいいんです。私たちは選べばいいだけ、それにもうほとんど決まっているから問題は少ないでしょう」
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