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「"ほとんど決まっている"、"問題は少ない"……確かにその通りだ。だがそれが非常に悩ましいのも事実」
「あと一人、か」
「適任者はいる。けど厄介」
「あいつさえ参加してくれりゃあなぁ…」
参加者は全部で七人。内六人は決まっているが最後の一人がまだで、打ってつけの少年がいるにはいるのだが問題は彼だった。
ユラシル・リーバック。エマリエーカ王国の全学生の中で最も強いと断言出来る彼が参加してくれれば『ファイブナイト』たちもここまで悩まなくて済んだし合同戦闘訓練もエマリエーカ王国の優位を証明出来る。
しかし彼は断った。『ファイブナイト』直々の交渉を蹴ったのだ。参加は本人の意思に委ねられるが、それでもユラシルには参加して欲しいのが彼らの本音。
「うーむ……どうするんだベリファー、ユラシルがダメなら他の子供にするしかねえぞ?」
「いや、ユラシルくんしかいない。ユラシルくんこそが代表選手に相応しい。彼ならばきっと我々の期待に応えてくれるだろうし、何より大舞台での彼の活躍を見たい」
「完全に私情じゃねーかそれ。いいんかよそんな理由で」
「結果エマリエーカ王国の力を示せるなら構わない。元より合同戦闘訓練はそこに意味があるのだからな」
「どうやって彼に参加してもらえるか。そこが問題」
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