88人が本棚に入れています
本棚に追加
リーンを落ち着かせてからユラシルは支度を済ませて町へ向かう。必要な木材は知り合いの店から貰えるだろうと考えながら一人進む。
「俺もシェリムも寝相が悪いからなぁ、最近気づけばどっちかの布団に入ってるし……あいつ顔が女だから変な気を起こさないように注意してっけど寝惚けてると何があるかわからんから怖い」
今朝も目を覚ましたらシェリムの布団に入っていた。しかもシェリムが抱き付いていたのでさすがのユラシルも今まで体験したことのない種類の危機に直面した。だからこその増築改築である。
「いっそシェリムが女ならなぁ……いやそれはそれでまずいか。まぁ俺にガキに欲情する趣味はねーけど。…………んお?」
偶然、ユラシルは町中を歩く一人の少年を見つけすぐさま猛ダッシュ。足音を立てないまま一気に距離を詰めていき、
「バズギー先輩見~っけ!!」
「ごげェ!!?て、テンメッなんだコラ!!引っ付くなリーバック!!」
見つけたのはユラシルが通う学校の上級生、バズギー・ローズエッタだ。金髪で耳にはピアスが大量に付いた柄の悪い見た目の彼の背に這い上がるユラシルは叫ぶバズギーにお構い無し。
「一人で何してんだ?なんか探してたっぽいけど?」
「まずは下りろやっ!!」
最初のコメントを投稿しよう!