Scene”Arts”

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 白銀色の戦士は驚くべき速度で這い上がる蜘蛛を見上げたが、すぐに相手に取り付こうと地を蹴った。  遊園地にある逆バンジーさながらその体は星の隠れた漆黒の空に踊り、蜘蛛に組み付きにかかる。だがそれを妨害せんと、彼の顔に首の無くなった蜘蛛の死体がぶつけられた。  バランスを失い転落してゆく戦士を広大な視界の中に収めた蜘蛛はかすかにだが笑みを浮かべた。  「落ちたところを見ると、まだ把握していない様だな」  外に飛び出した香川が辺りを見回すとそこには誰もいなかったがすぐ横に先ほどの戦士が驚くべき速度で着地した。  彼に警戒心を持ったが、すぐに相手の見つめる上を見た。そこには屋上まで上り詰める蜘蛛の姿があった。  あれを逃がしていはいけない。香川が思った時、戦士は跳躍していた。  香川はもう一度自分のベルトを巻いた。    「変身」  「Action」  金色の網が身を包む。  ハードウェアシステムは周囲あるいはまだ存在しきれていない元素を選り分け、必要な物質を決まった形に配列させる事で強化外骨格を形成する。何度壊されても必要な物質と質量があれば再構成することができるのだ。  しかしソフトウェアと物質の構成、そのためのガイドラインはずべてベルトに依存している。ここが破壊されるか装着者が戦闘不能にならない限り理論上は戦える。  必要な元素を取り出したときに生じる反物質はエネルギーとしてチャンバーに蓄えられたり、アタッチメントのカートリッジに蓄積される。
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