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しゃれこうべのような岩が見つからないので、とりあえずブルアンはテニスコートほどの広さの岩礁の中央にあるやや出っ張った岩に近づいていった。
その出っ張った岩の上面は中央が少しえぐれて海水が溜まっており、さらにその中央には何故か綺麗な形の円柱の石が突き出ていた。
「グリンドーさん! なんだか妙にキレイな石があるよ!」
ブルアンはその円柱形の石に近寄って、じっとその石と溜まった海水を凝視した───
そんなブルアンに残りの三人が近寄っていく。
(なんだろう・・・? 海水に何か波紋が・・・?)
ここで、ブルアンは口元を隠すマスクを一部上げて、彼の伸縮自在のネズミのようなヒゲの先端を円柱形の石に当ててみた。
ブルアンのネズミや猫のヒゲ(洞毛)と同じようにヒゲとは言っても非常に感覚の鋭いセンサーなのである。
(・・・!これは!・・・何か意味のある振動のようだ・・・短い振動と長い振動と、その中間の振動の3種類の組み合わせ・・・そして、全部で30回を間隔をおいて繰り返している・・・もし黒死海古文書に使われている古代ハブライ文字だとすると・・・・・・古代ハブライ文字のアルファベットは27文字=3×3×3=27通り・・・3種類の振動・・・もしや! 古代ハブライ文字のアルファベットで何かを伝えている?)
黒死海古文書をほぼ翻訳し終えたブルアンは、3種類の振動の組み合わせが古代ハブライ文字を表しているのではないか?───と推測し、叫んだ───
「グリンドーさん!! この円柱の石が何か意味のある振動をしているよ!」
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