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第一節 海の中の島 その4
「意味のある振動?!・・・そいつは大発見ですゼ! 坊ちゃん!」
グリンドーは、ブルアンがマスクを外して、恥ずかしさも忘れてネズミのヒゲを円柱形の石に当て、調べている様子を見て言った。
確かに───円柱形の石の周りの水溜まりに、小さな波紋が広がっている───
「その振動のパターンが分かりますかい?」とグリンドー。
「うん!・・・分かるよ! 今、メモする!」
ブルアンはジャンパーズボンの胸のポケットから小さなメモ帳とペンを出すと、さっそくヒゲで聞いた振動のパターンを記録し始めた。
******
「うーん・・・全部異なる10文字分のパターン・・・それぞれ何のアルファベットに対応しているんだろう?」
ブルアンは腕組みをして考え込む。
そんな彼の書いたメモをグリンドーがのぞき込み───言った。
「なァ、ブルアン坊ちゃん・・・仮に、小さい振動を0、中くらいを1、長いのを2として、3進法の3桁の数字と考えたらどうでしょうネ?」
「・・・あ、そうか! それと古代ハブライ文字のアルファベット27文字と合わせればいいのか!・・・そうすると・・・エート・・・」
「3進法の3桁の数字を10進法に直せばいいんだよネ? アタシがすぐ計算するヨ!」
同じくメモをのぞき込んでいたオレージナが言った───彼女は航海士なので様々な計算法は良く知っており、さっそくそれぞれの振動の記録を3つ毎に区切って10進法に変換し、小さなメモ帳に記していった。
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