熱愛報道

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ある日の仕事終わり、知らない女性何人かに声をかけられた。 「あの、何ですか」 「何ですかじゃないわよ。あんた、英くんと付き合ってるらしいわね。あんたみたいなぶすにつきまとわれて英くんが迷惑してるの。遊ばれてるだけなのわかんないの?」 遊ばれているだけ。確かにそうかもしれない。その証拠に週刊誌が発売されてから連絡を取っていない。 「あんた、聞いてんの?」 だけど、英輔くんと過ごした日々を、二人一緒に過ごした時間を、あの笑顔を、全て嘘だったとは思いたくない。 「確かに私は英輔くんに遊ばれただけで彼には他に本命が居るのかもしれない。だけど、私に向けた笑顔を全て嘘だったとは思いたくない。貴女たちもそうでしょ。もし仮に、私と同じ立場でそんな事を言われたらそう思うでしょ」 私の言葉に彼女達は少しひるんだ。 「うるさいわね。遊ばれているだけの分際で生意気言ってんじゃないわよ」 「そうよ。あんたがそう言った所であんたが五十嵐くんに遊ばれているって事は何も変わらないの。それとも何、そう言っておけば五十嵐くんの本命になれるとでも思っているの。本当に頭のおかしな子ね」 彼女たちはそう言うと私の頬を叩いてきてめがねが飛んだ。その後も何度も叩かれて私はそれに耐える事しか出来なかった。 「貴女達がこんな事をしているなんて事を知ったらきっと英輔くんは悲しむ。英輔くんは誰よりもファンを大切にする人だから」 意識が飛びそうになり、それを戻そうと精一杯叫ぶと彼女たちはあんたに言われなくてもわかってるわよと私の腹部を蹴り飛ばしてきた。 そして私は意識を失った。 ー続くー
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