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数日後、退院すると携帯に英輔くんから電話がかかってきていた。すぐにかけ直すと彼は私からの着信に出てくれた。
「今まで連絡しなくて悪い。お前との事が週刊誌に載ると聞いて、お前をこれ以上巻き込みたくなくて連絡しなかった。それで今日さ、これから記者会見を開く。そこで未来との関係が俺にとって本気なんだって事を話す。だから、会見を見て欲しい。頼む」
英輔くんの言葉に私は涙が止まらなかった。彼は私との関係を終わらせようとはしていなかった。嬉しい、嬉しくて今すぐ彼に会いたいと思ったが我慢した。
通話を切った後私は自宅に走った。そしてテレビを付けた。
「では、噂の女性とは本当の事と認めるんですね?」
「はい、彼女は俺にとって大切な女性です。俺と交際する事で彼女は今後、色々な辛い事や悲しい事と直面すると思います。だけど、俺はそんな彼女を心の底から守りたい。そして、俺の事も支えて欲しい。彼女と幸せになりたいんです。後々、結婚したいと考えています」
会見はまだ続き、私の事や出会いのきっかけ等を聞かれ、私が一般人だからと配慮しながらも記者からの質問に答えていた。
会見が終わり数分後、携帯が震えだし私はそれを迷う事なく取った。
「会見、観てくれたか?」
「うん、観たよ」
英輔くんは真剣な口調で会見で言ったことは本当だからなと言った。
「お前は黙って俺と結婚しろ」
「はい」
出会ってまだ一年も経っていないけど、あの日、助けてくれたのが英輔くんで。私は運命を感じたの。
私は誰よりも英輔くんが大好き。
ー終わりー
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